DXを進めるべき業務を見つけよう (製造業編)
- WIZU-Consulting
- 2024年11月10日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年11月26日
下の図は、製造業における主要な業務プロセスをわかりやすく示した「業務マップ」です。この業務マップを見れば、製造業の様々な業務がどのように連携して製品が作られ、お客様に届くかが一目で理解できます。
•受注から出荷までの流れ
お客様からの注文をもとに「受注」「販売計画」「出荷」などの業務が始まり、その情報が「生産計画」や「在庫管理」に引き継がれます。これにより、製造から納品までスムーズな連携が可能となります。
•生産と品質の管理
設計図面に基づいて「製造実行」が行われ、同時に「品質管理」が徹底されます。製品の品質を守るために、この段階での管理がとても重要です。
•購買や在庫管理のサポート
必要な資材を確保するために「購買調達」も重要な役割を果たします。適切な在庫管理と物流管理により、無駄のない生産が実現します。
•サポート部門の連携
さらに、「人事給与」「原価管理」「会計業務」などのサポート部門が一体となり、業務を支えています。これにより、企業全体が効率的に運営され、より高品質な製品とサービスをお客様に提供することができます。
このマップを参考にしていただくことで、貴社における業務の効率化やプロセスの最適化がどのように進むか、イメージしていただけるかと思います。

こちらの図は、製造業でよくある「お困りごと」を業務ごとにまとめた「お困りごとマップ」です。お客様の業務にも、きっと共感いただける点があるのではないでしょうか。
例えば、「生産計画で納期の遅れが出てしまう」「設計の手戻りが多い」「在庫が多くなりすぎる」など、よくあるお悩みを一覧にしています。
こうした課題は多くの企業様が抱えている共通のものですので、「うちも同じだ」と感じるものがあるかもしれません。この「お困りごとマップ」を見ながら、現場のお悩みや改善したい点について検討してみてください。

こちらは、製造業のITシステム全体像を示した「ITシステム構成マップ」です。
製造業の企業がどのようなITシステムを活用し、業務効率化やデジタル変革を実現しているかをまとめたものです。
ポイントの1つ目ですが、基幹系システムを中心に、各システムが連携しています。
ERPなどの基幹系システムを中心に、「CAD/PLM」「MES」「WMS」などのシステムが連携して情報を共有しています。これにより、製品設計から生産、在庫管理まで一貫した流れで情報を管理でき、業務の効率化を図ることができます。
2つ目ですが、BIやアナリティクスでデータを活用するという点に注目します。 データ分析やレポート作成を行う「BIアナリティクス」システムが導入されていることで、蓄積したデータをもとに経営判断がサポートされます。
市場のトレンドや業務の改善ポイントを見つけやすくなり、競争力の向上にもつながります。
3つ目に、IoTデバイスやクラウドとの連携があります。近年はIoTデバイスを使って生産設備や在庫の状態をリアルタイムで把握し、必要な情報をクラウドやAPIでつなげることにより、いつでもどこでも最新のデータにアクセス可能になりました。
モバイルからもアクセスできるため、現場でも迅速に情報確認・対応ができる環境が整いつつあります。
最後は、取引先や得意先とのシステム連携です。外部連携用システムを通じて、取引先やサプライヤーとの情報共有が円滑になり、供給網の効率化や在庫の適正化が実現できます。これにより、迅速で無駄のない運営が可能となります。
この構成マップをもとに、次の図でDX化例をご説明します。

こちらの図は、製造業における各業務分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)事例をまとめたものです。
「こんな課題を解決したい」「こうしたいけど、実現できていない」というお悩みがあれば、この事例が何かヒントになるかもしれません。
設計業務の効率化(CAD/PLM)について 例えば、設計データをAIで分析して改善提案を自動生成したり、設計プロセスをクラウドで一元管理することで、開発スピードを格段に向上させることが可能です。リアルタイムでの共同設計やレビューができれば、リモート環境でも効率的に製品開発を進められます。
製造実行の効率化(MES)について製造現場での設備や作業の進捗を自動でデジタル化し、IoTデバイスやAI分析を活用することで、生産効率を大幅に改善できます。リアルタイムでの状況把握により、トラブルが起きても即座に対応できる体制が整います。
在庫・倉庫管理の最適化(WMS)についてIoTやバーコードで在庫状況を自動管理し、データを基幹システムと連携することで、入出庫のミスを防ぎ、物流の効率化を図れます。
在庫の正確な把握で、納期管理も大幅に向上します。
データ活用による分析・意思決定の高度化(BI/アナリティクス)についてビジネスインテリジェンスシステムを通じて、AIが膨大なデータからパターンや予測を抽出し、経営層がデータに基づいて意思決定を行える環境を提供します。視覚的なレポートで直感的に業務の改善ポイントを把握することができます。
取引先やパートナーとの連携強化(外部連携用システム)について取引先とリアルタイムでデータを共有し、納期や在庫情報を一元管理することで、サプライチェーン全体の効率化を図ります。
モバイルからもアクセス可能なため、現場や外出先でも柔軟に対応できるようになります。

いかがでしょうか。こういった情報を改めて見てみると貴社が進むべきDXの方向性がわかるかもしれませんので、是非ご参考にしてみてください。
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